木材に関する基礎知識

木造建築のメリット

仕上がりによって変化する感覚

木材は、同じ素材を使っても表面の仕上げによって手触りが変わってきます。

例えば少し粗めザラザラに仕上げてあるものは暖かみを感じ、精密にツルツルに仕上げてあるものは冷たく感じたりします。ガラス、コンクリート、鉄等に比べ手触りがよく手摺やおもちゃによく利用されるのはこういった感覚が起因しています。

丈夫で長持ち

古来より「木」の特性を活かしながら建築してきた木造建築、日本の風土に適していると言えるでしょう。手入れ次第では100年以上住み続けることも出来ますし、かの有名な日本最古の木造建築「法隆寺」は1000年以上もその姿形をそのままとどめています。

最適な湿度

木材は室内湿度の調整を行っているため概ね湿度は50%前後で落ち着きますので、夏は涼しく冬は暖かい家になります。これは人が暑さ寒さを感じるのは温度だけでなく湿度も関係しているからです。また、湿度の調整えおすることでカビを抑制する効果もあります。

断熱機能

木材は、断熱性も優れており鉄やコンクリートと比べると、熱を伝えにくい性質を持っています。この性質が、暑い季節は外の熱気を遮断し、寒い季節は室内の暖かさを逃がしません。環境や季節にとらわれず、快適に過ごすことができます。

癒し効果

森林浴を気持ちよく感じるのは「木」から発散されるフィトンチッドという成分が、リラックス効果やストレス解消に影響を及ぼすと言われているからです。もちろん製材された木材からもフィトンチッドは発散されており、天然無垢材の家では、屋内でも森林浴の効果を感じられます。また木材には、香りの元となる成分が多く含まれておりますので、それらの成分は消臭や殺菌に対して効果があります。

木材の種類

杉(スギ)

日本人に最も親しみ深く、木と言えば真っ先にその名が浮かぶのがスギですね。成長が早く、まっすぐにスクスク育つ杉は「真っすぐな木=直ぐ木」という意味から「スギ」という名がついたと言われるほど、素直に育つのが杉の特徴です。

また学名がCryptomeria japonicaと言われるように、日本固有の樹木で、枝下が長く枝が細いので、長いまっすぐな材が取りやすい木です。最近では、天然のものは少くなり、ほとんどが人工造林されたものとなっています。

住宅での用途は実に広く、柱を始め梁・母屋・桁・垂木・貫・下地板等の構造関係、さらに障子や襖・雨戸等の建具類、天井板、外壁、床材等ほとんどの用途に使用されています。杉の材質の特徴は、何と言っても、軽くて柔らかいことです。杉は細胞と細胞の間の空隙が大きく、一般的に軽い木材として認識されており、他の密度が高い木材と比較すると水分、温度を多く吸収するという利点があります。

このため、杉は、リビングや寝室、さらに子供部屋などのフローリングや壁材として最適な木材と言えるでしょう。ただ柔らかい木材ですので傷を気にされる方でしたら堅い桧や松をお勧めしております。

桧(ヒノキ)

桧は火の木が由来しており、古代には火おこし用に使われたとされています。杉よりも成長が遅く、時間をかけてゆっくりと育ち、スギと並んで日本が世界に誇る針葉樹ですが、ヒノキは一般に、より高級なものとされています(最近ではリーズナブルのものも非常に多いです)。

材質は、細胞が密でキメが細かいため杉よりも重くて硬く、木肌が白く、昔から高級材として好まれてきました。桧は世界的にも優れた建築資材として有名で、正しく使われたヒノキの建築では1000年を超える寿命を保つものがあります(例えば法隆寺のヒノキ造りは1000年前の建物として有名です)。心材の耐久性が高く、長期の水湿に耐えますのでキッチンやトイレ、洗面室など、水周りの床に使用しても大丈夫なのが桧の大きな特徴です。堅いため傷もつきにくいので、リビングや廊下、玄関周りにも向いています。

また、桧の独特の香りは人の心を落ちつかせる、「リラックス効果」に優れているとも言われ是非使用していただきたい木材の一つです。

唐松(カラマツ)

カラマツ属は、ヨーロッパ・シベリア・ヒマラヤ・北アメリカ北部など北半球の亜寒帯と中緯度の高山に広く分布する落葉針葉樹です。中でもカラマツ属の「カラマツ」は、日本の高原を代表する植物で、長野県や群馬県、さらに北海道などのスキー場などに多く植えられています。

材質はヤニ成分が多いので、水や汚れにも強く、傷がつきにくいのも特徴です。カラマツは乾燥によるねじれがが大きく生じ一般的に、このねじれは嫌われ、そのまま使われることは少なく、木造公共施設の建築などに、大断面集成材として使用されることが多いです。

また建築用の構造材(土台・柱・梁・筋交いなど)や内装材、土木材(橋梁や杭など)、また家具材として用いられることも多いです。ただ艶のある赤み特徴の一つですので内装に使用すれと良いアクセントとなります。

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